株安局面でも負けない企業は? 仲村幸浩
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歴史的なインフレ高進を沈静化させるため、米連邦準備制度理事会(FRB)をはじめとした世界各国の中央銀行が利上げを異例の速さで進めている。こうした中、米10年物国債利回りから期待インフレ率の指標とされる米10年物ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)を差し引いた米10年物実質金利は、8月1日の0.06%をボトムに一本調子で上昇し、9月30日には1.68%まで上昇した。
実質金利の上昇は株式をはじめとしたリスク資産の価格にはマイナス影響を及ぼす。この間、7月末終値を基準にした9月末までの株価指数のパフォーマンスをみると、ダウ平均は12.4%安、ナスダック総合指数は14.5%安、日経平均株価は7.3%安と下落した。
ここから、株式市場全体が苦戦したこの期間の株価騰落率が大きくプラスであった企業は、指数対比でのパフォーマンスが良好で、銘柄固有の実力を持つ可能性が高いと推察される。今後も実質金利の上昇基調が想定される中、有望株として、今回はこうした条件を満たす銘柄を選定した。具体的な条件は下記の通りだ。
①7月29日終値を基準に9月30日までの株価上昇率が10%以上
②年初来(22年)日次平均出来高が10万株以上
③22年9月30日時点の時価総額が100億円以上
結果、東京証券取引所に上場する企業3828社(9月30日時点)のうち、該当した銘柄数は200近くに及んだ。今回はその中でも、実質金利上昇のマイナス影響が特に大きいとされる高バリュエーション(投資尺度)のグロース(成長)株に該当するものを中心にピックアップした。
強さ見せる自動車関連
スクリーニングの結果、業績などの定量的観点だけでなく事業の成長性・優位性など定性的な観点からも有望といえる銘柄が多く入った。
プライバシー保護の観点から個人情報データの規制が強まるなか成長を加速させているAppier Group、A…
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週刊エコノミスト
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