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《ドル・円》過去最大の日本の貿易赤字が円売り圧力に 深谷幸司

 政府・日銀は円買い介入をしたが、ドル高・円安が止まらない。米国でインフレが高止まる中、米連邦準備制度理事会(FRB)は金融引き締め姿勢を強め、米長期金利は一段と上昇した。日米金利差の拡大を材料にドル買い・円売りが続く。足元でドルは欧州や他の通貨に対しても堅調だ。円安というよりドル高の様相が強い。また最近の円安ペースの鈍化は介入効果もあろう。

 ただ、円を巡る需給は円安に傾いたままだ。ベースには過去最大となった日本の貿易赤字による円売り圧力がある。これに投機的な円売りと日本人投資家の外貨資産投資による円売りが重なる。9月の円買い介入は8月の貿易赤字額とほぼ同額だった。実需の円売りを吸収した。しかし、継続的に実施しなければ需給バランスは変わらない。

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