《穀物》上値が重く下値も堅い 柴田明夫
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米シカゴ穀物は上値が重い。10月10日時点で大豆が1ブッシェル=13.74ドル、小麦は同9.38ドル、トウモロコシが同6.98ドルと、ウクライナ危機直後の高値から大きく値を下げた形だ。ただ、この水準は6月以降継続しており、下値も堅い。8月よりウクライナ産穀物の輸出が再開され、すでに100万トンが輸出されているが、推定3000万トンとされる同国の穀物をすべて輸出するのは容易ではない。
一方で、懸念された米中西部の乾燥天候の影響は限定的だ。米農務省は9月の需給報告で、大豆、トウモロコシの作付面積、単収を5月の報告から引き下げ(生産量下方修正)、小麦は作付面積の減少を単収アップでカバーし、生産量を小幅上方修正している。中国は最近の穀物市場の混乱を受けて、2021年末の「第14次5カ年全農産物発展計画(21~25年)」で、穀物の大幅増産と食料自給率向上の政策を打ち出した。「輸入能力…
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週刊エコノミスト
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