週刊エコノミスト Online 編集後記

桐山友一/荒木涼子

編集部から

 5年に1度の中国共産党大会が閉幕し、習近平体制が異例の3期目に突入した。側近で固めた新指導部の人事で、有力な後継者は見当たらない。「終身制」すらささやかれるが、実際は反腐敗闘争によってうらみを買いすぎ、引くに引けなくなっているのではないか。

 現在69歳の習氏は、54歳で最高指導部の政治局常務委員となり、59歳でトップの総書記になった。しかし、今回の常務委員(7人)の顔ぶれは、最も若くて丁薛祥氏の60歳。24人の政治局員でも57歳で、年齢構成だけを見ても後継者に譲る気などさらさらなさそうだ。

 習体制の10年間で腐敗摘発は464万件にのぼるといい、中には周永康氏ら有力者も含まれている。権力を弱めれば、いつ寝首をかかれるか分からない──。そんな恐怖が習氏につきまとってもおかしくない。引き際を逃した政治指導者の「哀れ」にも見える。

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