FTX破綻で仮想通貨市場は“3度目の冬” 次の高値は? 高城泰
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仮想通貨市場はたびたび大きなショックに見舞われてきたが、4年周期で回復してきた。その歴史が繰り返すなら、2025年には新たな高値がやってくるかもしれない。
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世界2位の仮想通貨(暗号資産)取引所である米FTXトレーディングが2022年11月、米連邦破産法11条(チャプターイレブン)の適用を申請して破産した。日本の金融庁からライセンスを取得し営業していた日本法人を含め、グループ会社は130社にも及ぶ。負債総額は最大500億ドル(約7兆円)とされる。
破綻に追いやったのはたった一つのツイートだった。11月7日、世界1位の仮想通貨取引所バイナンスのCEO(最高経営責任者)であるチャンポン・ジャオ氏(通称「CZ」)は、FTXが発行する仮想通貨FTTを売却すると宣言した。この時点ではFTTを巡る内輪もめにすぎないと見られたが、FTXにはFTT暴落を全力で食い止めなければならない理由があった。
FTXは顧客から預かったビットコインなどを不正に流用し、資産の大半がFTTなど流動性の低い仮想通貨となっていたからだ。市場での売却による価格低下を食い止めたいFTX側は、ツイッター上で交渉したものの失敗に終わり、FTTは暴落。異変を感じ取ったFTX顧客が一斉に引き出す取り付け騒ぎが発生し、100万人以上の顧客を巻き込みながら破綻へと追いやられた。
破綻のそもそもの原因は、顧客資産の流用だ。創業者でCEOを務めたサム・バンクマンフリード氏(通称「SBF」)への10億ドルの貸し付けや、1.2億ドルを超える別荘の購入など、その乱脈経営ぶりは「企業統治の完全な失敗と、財務情報の完全な欠如」(破綻処理のために就任したFTXのジョン・レイCEO)というほどだった。
過去最大の残高減少
連鎖倒産も始まっている。22年11月28日、米仮想通貨融資大手のブロックファイは数十億ドル規模の負債を抱え、連邦破産法11条の適用を申請した。ビットコインなどの投資信託を運用する米グレースケールも経営が不安視されている。現物を持たずに仮想通貨へ投資できるグレースケールは機関投資家などを中心に資金を集め、約100億ドルを運用する最大のビットコイン投資信託へ成長した。
だが、「投資信託の裏付けとなるビットコインが不足しているのではないか」との懸念から、投信の基準価額はビットコイン現物に対して40%も割安になっている。信用不安の高まりで急速に広まったのが「プルーフ・オブ・リザーブ」(保有の証明)だ。FTXは顧客から預かったビットコインを流用し、実際には保有していなかったことが判明し…
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週刊エコノミスト
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