米最大のステーキハウス・チェーン「テキサス・ロードハウス」が好調のワケ 清水憲人
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Texas Roadhouse 手ごろな価格でステーキ提供/59
テキサス・ロードハウスは米国のレストランチェーン運営会社。もともと飲食業界で働いていたケント・テイラー氏が1993年に、インディアナ州クラークスビルに開業したステーキハウスが1号店だ。
10~30ドル(約1370~4110円)程度の手ごろな価格でステーキを楽しむことができるカジュアルレストランとしてその後、店舗を拡大し、2021年度末時点でハワイを除く米国の各州に合計566店舗を運営している(最も多いのがテキサス州の81店舗)。現在では「米国最大のステーキハウス・チェーン」として知られている。
外食チェーンというと「本社が全部決めて、各店舗はそれに従うだけ」という事業運営をイメージするかもしれないが、テキサス・ロードハウスの場合はそうではない。レストランの店長は「マネージング・パートナー」、複数レストランを統括する地域マネジャーは「マーケット・パートナー」と呼ばれ、それぞれ経営に主体的に取り組むことが求められている。
例えば、アルコール飲料の品ぞろえは、マネージング・パートナーの裁量である。会社はローカル・ブランドを積極的に取り入れることを推奨しており、店舗ごとに異なる種類の地ビールを楽しむことができる。21年12月期のデータを見ると、テキサス・ロードハウスの売上高の10.8%がアルコール飲料によるものであり、この部分での創意工夫は全社の経営にも影響を及ぼすことになる。
コロナ禍でも報酬保障
出店計画は、マーケット・パートナーが本社の不動産チームと協議して精査する。当該市場のデモグラフィー(人口統計)など、さまざまな情報を考慮したうえで通常3~6カ月間かけて決定する。
創業者のケント・テイラー氏はかつて、メディアの取材に対し「出店は場所ではなく人で選ぶ」とコメントしている。もちろん場所は重要だが、それ以上に「信頼して任せることができる、パートナーがその地域にいるかどうか」を重視してきたのだ。
こうした貢献は当然報酬にも反映される。パートナーの報酬は「基本給+業績給」となっており、業績給は担当するレストランの…
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週刊エコノミスト
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