経済・企業株式市場が注目!海外企業

世界最大手ECのアマゾン・ドット・コム 有料会員が2億人超 小田切尚登

アマゾン・プライムの商品配達用トラック、米国カリフォルニア州(Bloomberg)
アマゾン・プライムの商品配達用トラック、米国カリフォルニア州(Bloomberg)

Amazon.com クラウド事業で世界のリーダー/62

 アマゾン・ドット・コム(アマゾン)は世界を代表する消費者向けEコマース(電子商取引)の米国企業である。上場企業としての時価総額は1位の米アップル、2位のサウジアラムコ(サウジアラビア)などに続き世界5位にある(2022年11月)。

 アマゾンは19年以降コロナ禍での巣ごもり需要が追い風となって拡大が加速してきた。19~21年の3年間、年間売上高が2805億ドル→3861億ドル→4698億ドル(約63兆円)と増えた。純利益も116億ドル→213億ドル→334億ドル(約4.5兆円)と伸びた。

 しかし、好調な事業環境から一転して、22年になり業績が急激に悪化した。10月に発表した第3四半期決算では、1~9月期の純損失が30億ドル(約4050億円)と前年同期の黒字から赤字に転じ、株価も大きく下げた。

 これには二つの理由がある。一つはアマゾンが配送ネットワーク拡大のために、莫大(ばくだい)な投資を重ねたこと。従業員数は19年末からの3年間で倍増し、160万人になっていた。そこで、従業員の削減にかじを切り始めた。従業員数は22年第2四半期(4~6月)に約10万人減り、152万人になった。さらに、11月には約1万人を解雇する計画も発表している。設備投資も見直し、合計約2.3平方キロメートルに及ぶ42の配送施設用地の買収計画を撤回した。

 もう一つの問題は、米国をはじめとする世界的なインフレだ。景気後退への懸念が強まる中、商品の値上がりが続き、消費者が支出に対して慎重になるという見方が強まった。22年7~9月期の売上高は前期比プラスであり、今のところ足元での悪影響は大きくはないように見えるが、今後の状況を注視していく必要がある。

米国中心の収益構造

 地域別・部門別に見てみると、21年12月期の売上高の内訳は、北米が60%、それ以外の地域が27%、クラウド事業のアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)が13%となっている。一方、同時期の営業利益の内訳は、北米が29%、それ以外がマイナス4%、AWSが75%となっている。人件費や物流コストの上…

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週刊エコノミスト

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