《長期金利》春先に向け高止まり 海老原慎司
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2022年12月19~20日の日銀金融政策決定会合において、大方の予想に反して、長期金利の変動幅拡大を決定した。その後に公表された同会合の主な意見の内容は、長期金利の変動幅拡大は「金融緩和の出口に向けた変更ではなく、金融緩和の持続性強化のため」との意見が多くを占めていた。そのため現時点では、日銀内で連続的な政策変更の必要性を主張する意見は出ていない。
しかし、今回の政策変更がサプライズであったため、市場参加者の多くは、もはや日銀からのメッセージを真に受けてはいないだろう。日銀が21年3月の金融政策決定会合で公表した政策点検結果の定量分析によると、22年末時点の理論的な長期金利の水準は、現行政策下の金利上限である0.5%を上回る可能性が示唆されるため、追加の政策修正の余地が見いだせる。追加の政策修正観測に加え、今年3~4月の日銀執行部人事の思惑…
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週刊エコノミスト
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