《今週のポイント》貿易統計(2月16日) 山下大輔
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海外経済の低迷の影響はどうか
輸出はこのところ弱含んでいる。1月公表の2022年12月分の貿易統計では、輸出金額(季節調整値)は前月から3.5%減少した。数量でみても、貿易統計を基に日本銀行が作成する実質輸出(季節調整値)は前月から4.7%減少した。
輸出の低迷要因として、中国のゼロコロナ政策とその急激な解除に伴う経済の混乱や米国などの海外景気の停滞が挙げられる。中国向けの実質輸出は3カ月連続で減少し、9月からの3カ月間の減少幅は14.5%に達した。また、米国向けやシンガポール、ブラジルなどの新興工業経済地域、東南アジア諸国連合(ASEAN)などへの実質輸出は2カ月連続で減少した。
先行きを考える上で重要なのは、海外経済の動向だ。1月に国際通貨基金(IMF)が公表した世界経済見通しでは、23年の世界の成長率を2.9%になるとした。物価上昇のピーク越えを見込める状況になりつつあるとして、昨年10月の見通しから0.2%ポイント上方修正されたが、2000年から19年までの平均の成長率(3.8%)を下回る。また、同月の世界銀行の世界経済見通しでは、23年の世界の成長率を、この30年…
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週刊エコノミスト
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