電気代値上げで物価は高止まる 斎藤太郎
2022年12月の消費者物価(生鮮食品を除く総合、以下コアCPI)は前年比4.0%と41年ぶりの高い伸びとなった。
コアCPIは23年1月には伸びをさらに高めるが、2月には電気代・都市ガス代の負担緩和策が導入されることから、一気に3%程度まで低下する公算が大きい。しかし、電力各社が申請している値上げが認可されれば、電気料金は再び大きく上昇する。
燃料価格の高騰を受けて電気料金は上昇を続けてきたが、22年夏場以降は燃料費調整制度の上限に達したことから据え置きとなっている。23年1月の東京電力の電気料金(標準世帯の規制料金)は9126円だが、燃料費調整制度の上限がなければ電気料金は1万1200円程度まで上昇していた。政府の負担緩和策で2月の電気料金は1820円下がるが、東京電力が申請している値上げが認可されれば、6月には再び大きく上昇することになる。
上昇率は2%台が続く
東京電力は今回の申請にあたり、料金単価の値上げに加え、最新の電源構成や燃料価格に合わせた基準燃料価格、基準単価の見直し等を行った。直近(22年12月の貿易統計)の燃料価格が横ばいで推移すると想定し、申請が認可された場合の電気料金を試算したところ、6月は9300円程度と前月から2000円近く上昇し、負担緩和策導入直前の料金を上回る水準となった。現行の料金制度で燃料費調整の上限がなかった場合と比べて900円程度高くなる。
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週刊エコノミスト
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