週刊エコノミスト Online編集後記

市川明代/秋本裕子

編集部から

 長男がこの春、小学校に入学し、担任教諭が「大切なお子さまをお預かりするので……」とあいさつするのを聞いて驚いた。子どもは随分、大切にされているのだなと。

 小学生のころ、校門の前に行商のおじさんが座っていた。ヒヨコや怪しい仕掛けおもちゃを並べ、「安いよ、お母さんにお願いしてごらん」と言葉巧みに売りつけようとする。たいてい「ダメに決まってるでしょ」と言われて終わるのだが、おじさんは市民権を得ているかのように翌日も同じ場所に座っていた。

 学校も親も、おおらかだった。雑だったと言うべきか。子どもたちは自然と、お金について学び、「知らないおじさん」に対する“免疫”を獲得していたように思う。子を守ろうとするあまり、無菌状態にするのは良くないと、自戒を込めて思う。

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