米国の有望エネルギー関連銘柄はこれだ 岩田太郎
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知名度が高い老舗企業からスタートアップ企業まで、米国のエネルギー関連銘柄はバラエティー豊かだ。今から仕込んでおきたい銘柄は?
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米国は電気自動車(EV)はもちろん、スマートグリッド(次世代電力網)や仮想発電所(VPP)、蓄電池などの産業技術分野で中国とともに世界をリードしている。スタートアップ企業だけでなく、既存の電力企業やコングロマリットまで参入し、特に送電・蓄電分野では業績が好調な銘柄がそろっている。
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ネクステラ・エナジー(NEE)
NEEはフロリダで1925年に創業されたエネルギー総合企業だ。風力と太陽光で発電した電力や天然ガスを30州で販売しているが、現在子会社が保有するテキサス州やペンシルベニア州の天然ガスパイプラインを全て売却し、創業100周年の2025年に、100%再生可能エネルギー(再エネ)企業に生まれ変わろうとしている。
会社資料によると、同社は世界最大級の風力・太陽光発電やエネルギー蓄電企業であり、26年には58ギガワットの再エネ発電能力を獲得する見通しだ。また、フロリダ州やアリゾナ州に設置した蓄電施設の貯蔵能力は全米最大規模の180メガワットに達する。
バイデン政権は35年までに全米の電力供給の40%を風力と太陽光で賄う計画を立てている。同社はその国家的事業に参画し、さらなる成長を目指す構えだ。1株当たりの配当は26年に前年比12%増を目標としている。
データドリブン
エクセロン(EXC)
EXCは前身が1902年にイリノイ州シカゴで創業した総合エネルギー企業で、2015年からシカゴ郊外の世帯に、スマートメーターを設置してマイクログリッド(小規模電力網)を展開している。
家庭と同社を双方向で結ぶ無線通信により、利用者が電力消費量をリアルタイムで把握して節電ができる一方、引っ越しなどによるサービス開始や解約などの手続きがエクセロンの係員を現場に派遣することなくできるため、双方に大きな経費節減効果をもたらしている。同社はこのマイクログリッドを通じて、より広範な遠隔教育や職業訓練、通信、照明などの分野で、(膨大なビッグデータなどからの分析結果を利用する)データドリブン・ビジネスモデルを構築する計画だ。
デューク・エナジー(DUK)
DUKは南部ノースカロライナ州で地域発電会社として1904年に創業された全米最…
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週刊エコノミスト
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