《今週のポイント》ECB理事会(6月15日)高山武士
有料記事
タカ派姿勢を強めるか
6月15日にECB(欧州中央銀行)は政策理事会を開く。ECBは前回5月の理事会で0.25%の利上げを決め、累計の利上げ幅は3.75%となった。ECBは2月の理事会まで声明文で将来の「利上げ予告」をして、タカ派姿勢を強めていたが、米シリコンバレー銀行が破綻した後に開かれた3月の理事会以降は、よりデータに依存する姿勢に転換した。具体的には①最新の経済・金融データに照らしたインフレ見通しの評価、②基調的なインフレ動向、③金融政策の効き方を「反応関数」として決定の判断材料にする──とした。
金融不安の高まりを受け、金融システムにも配慮した内容(①や③)も含まれているが、現時点で金融市場の緊張のユーロ圏への影響は限定的と言える。むしろ②に関連した基調的なインフレ圧力は根強く、上振れリスクが意識される。5月の理事会の質疑応答でラガルド総裁は「0.5%の利上げを主張したメンバーはいたが、据え置きを主張したメンバーはいなかった」とし、今後の追加利上げを示唆する発言をしている。総じてタカ派的…
残り309文字(全文763文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める