《プラチナ》軟調だが需要拡大見通し 吉田哲
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米ニューヨークプラチナ先物相場が軟調に推移している。1トロイオンス=1000ドル付近は4月下旬より10%程度安い。こうしたなか、プラチナの需給データをまとめるワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)が公表した統計に、興味深い数値が確認された。プラチナ需要全体の約40%を占める自動車排ガス浄化装置用の需要が長期的視点で増加傾向にある点だ。
2015年のフォルクスワーゲン社の排ガスデータ改ざん問題の発覚直後、排ガス装置向け需要が激減するという思惑が支配的となり、プラチナ相場は長期低迷を強いられてきた。しかし、WPIC統計では同需要は急減しておらず、23年は325万トロイオンスと問題発覚時の水準を上回る需要見通しが示された。中国や米国の排ガス規制強化やインドの景気拡大などが、増加の要因だとしている。短期的には調整が続く可能性があるもの…
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週刊エコノミスト
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