有害蒸気噴出の北海道ニセコ地域は新技術「ACL」の検討地域でもあった
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6月29日、三井石油開発が北海道蘭越町で行っていた地熱発電工事の掘削井戸から、有害な硫化水素やヒ素を含む大量の水蒸気が噴出した。付近の住民の中には体調不良を訴える人も出ているという。
この事業自体は既存の地熱発電技術によるものだが、同社はこのニセコ地域(蘭越町、ニセコ町)で、ACLという世界でもまだ実証段階にある新しい技術を使う地熱発電事業の検討も行っている。
従来の地熱発電が地下の蒸気・熱水を取り出し、その蒸気(熱水は分離)で発電タービンを回すのに対し、ACLは、地表から地下の高温岩体層を貫通し、再び地表に戻るループ状のパイプを敷設。地表から注入された水が、高温岩体層で蒸気(熱交換)になって地表に戻り、発電タービンを回すという技術だ。環境負荷や温泉への影響も少ないとされる。水蒸気が噴出した掘削井戸自体は、ACLを使っていない。三井石油開発は6月22日…
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週刊エコノミスト
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