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教養・歴史 闘論席

AIによるデジタルメンタルヘルスの隆盛と脅威 池谷裕二

撮影 中村琢磨
撮影 中村琢磨

池谷裕二の闘論席

 ヒトはAI(人工知能)と心を通わせられるだろうか。昨今の生成AIはヒトと見まがうばかりの言葉を紡ぐ。時にヒトより流ちょうだ。最適な言葉をかけてヒトの心の隙間(すきま)を埋めてくれるのも時間の問題だろう。いずれ恋愛対象の有力候補に躍り出るかもしれない。

 コンピューターによるカウンセリングは1960年代から試行されている。ヒトは無生物のセラピストに簡単に心を開く。現代ではWoebot(ウォーボット)やWysa(ワイサ)など、臨床現場に応用されているAIもあり、一部の患者からは好評を得ている。カリフォルニア大学のスミス医師らは、患者の質問に対するチャットGPTの返答を統計分析し、会話の質において医師を凌駕(りょうが)することを見いだし…

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