《東京市場》経済で米中明暗 株価は調整局面に 秋野充成
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日米ともに株式市場は調整局面を迎えている。背景は、強すぎる米国経済と、弱すぎる中国経済だ。アトランタ連銀が算出している「GDPナウ」(米国内総生産〈GDP〉予想値)の7~9月期予想は5.8%(年率換算)に上昇している。
前期米国経済をここまで押し上げている要因は3点ある。第一は、賃金上昇に支えられる形で、米国の実質家計可処分所得が顕著な増加基調になっていることだ。第二に、コロナ禍で蓄積された資産効果が残存していること。第三に、半導体産業強化を狙う「CHIPS(チップス)及び科学法」やインフレ抑制法などの政策支援を受け、設備投資を中心に企業活動が活性化していることが挙げられる。
さらに、3月の地銀連鎖破綻をきっかけに台頭した金融システム不安に対処するために米連邦準備制度理事会(FRB)が導入した流動性供給プログラムが一段と米国経済の好調さを演出。想定外の景況感の強さを受けて、米国債10年物利回りの上昇が継続している。米国株は、金利上昇により割高感が意識されたことで下落につながり、日本株安に連鎖した。
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週刊エコノミスト
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