法務・税務闘論席

米国で脳死定義の拡張が提案された理由 池谷裕二

撮影 中村琢磨
撮影 中村琢磨

池谷裕二の闘論席

 ヒトの死には心臓死と脳死がある。かつて両者は同時に生じることが一般的だったが、1950年代に人工呼吸器などの医療技術が進歩し、二つの死が分離し始めた。とりわけ脳が機能停止しているにもかかわらず人工的に延命している状況が問題視され、81年に米国の統一死亡判定法において、死の二重定義が提唱された。現在、日本を含む多くの国がおおむね、この方針に準じている。

 脳死にまつわる倫理的問題は過去の課題だと思われがちだが、このところ議論が再燃している。

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