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経済・企業 闘論席

上場初日の時価総額が9.6兆円のアームと民間出資が73億円止まりのラピダスを比べる 古賀茂明

撮影 中村琢磨
撮影 中村琢磨

古賀茂明の闘論席

 孫正義会長兼社長率いるソフトバンクグループ(SBG)傘下の英国半導体設計大手アームが米ナスダック市場に上場した。初日終値での時価総額は9.6兆円に達した。

 半導体の高集積化が進み、今や数百億個のトランジスタをわずか数平方センチメートルのチップに詰め込むようになった。最先端半導体を開発するには、その設計の一部を自動化するツール(EDA)や回路の一部の機能を切り貼りで使えるような部品(IP)が不可欠となった。エヌビディアもアップルも、これらがなければ先端半導体の開発ができない。アームは、IPを開発販売する最有力ベンダーだ。IPもEDAも寡占市場で需給が逼迫(ひっぱく)し、完全な売り手市場である。つまり、アームは先端半導体生産のボトルネックを握る企業なのだ。

 アームの上場に際し、アップル、エヌビディア、グーグル、インテル、サムスン、さらにはTSMCまで出資を希望するという報道はアームの優位性をよく示している。

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