高金利下でも世界景気は堅調に回復中 藻谷俊介
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ここ数回のコラムで筆者は、世界景気について、高金利下での緩やかな回復というルートが現実化する様を示してきた。
市場が想定した景気の“ルート”は二つある。一つは、景気が良いがゆえに高インフレになり、利上げが終わらず景気が壁に激突するというルート。もう一つは、ここまでの利上げで景気が悪化して、すぐにも利下げに転換せざるを得なくなるというルートだ。ただ、現実の景気は、この二つの間をうまくすり抜けて進んでいる。
このような現象が起きる主な理由を、金利サイクルと景気サイクルの位相がずれていることで示した(6月13日号)。新型コロナやウクライナ戦争を起因とするインフレにより、景気サイクルとは無関係に大きな利下げと利上げが行われたが、景気サイクルは金利サイクルの“圧力”に屈せず、独自のリズムを刻んでいる。猛烈な利上げの中で逆に底入れして回復しているのだ。それが、利上げ環境下での株価上昇という、今年の業績相場(非金融相場)的な動きにつながったと筆者は考えている。
とはいえ、主流派経済学の常識では、金利サイクルが景気サイクルを支配する。米連邦公開市場委員会(FOMC)の度に一般メディアも巻き込んだ「高金利不況説」が醸成され、株式相場は実際の景気回復、業績回復に反応しつつも、一方で回復を信じきれないと…
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週刊エコノミスト
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