新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

週刊エコノミスト Online 創刊100年特集~Archives

プラザ合意 G5蔵相代理に緊密な連携があった 大場智満(2015年8月18日)

週刊エコノミストは戦後70年を迎えた2015年8月、総力特集「戦後70年 歴史と未来~これまでの70年、これからの30年」を掲載した。以下は同特集での大場智満・元財務官へのインタビューです。(聞き手/構成=大堀達也・編集部)

 私は1983年6月に大蔵省(現財務省)の財務官に就任した。その年の11月にレーガン米大統領と中曽根首相との首脳会談の予定があり、米国が日本にどのような要求をしてくるかが最大の懸念であった。当時、日米間の貿易不均衡が大きくなっており、両国関係に亀裂が入る恐れがあった。

 83年10月初旬、米国のマクナマール財務副長官から電話があり、「至急会いたい。ついては10月10日にハワイで銀行大会があるので極秘でハワイに来てほしい」と言ってきた。10月10日には、東京で若手政治家の結婚式があり、出席することにしていた。そこで当日、結婚式に出たことにしてハワイに行き、リーガン財務長官の代理のマクナマール氏、ボルカー米連邦準備制度理事会(FRB)議長と会った。そこで「日米間の貿易摩擦をなくすために金融・資本市場を自由化してほしい」と言われた。「今後、大統領が中曽根首相に、また米財務長官が竹下蔵相に要請することになっているので、よろしく」ということだった。

 11月の首脳会談の後、「日米円ドル委員会」が創設された。委員会は私とスプリンケル財務次官を共同議長とする作業部会を設けた。作業…

残り1096文字(全文1696文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事