週刊エコノミスト Online創刊100年特集~Archives

日本人に見えなかった中東の真実 なぜ、米国はイスラエルに肩入れするのか? 福富満久(2016年9月20日)

中東が揺れている。2016年に連載した福富満久・一橋大学教授の「日本人に見えなかった中東の真実」(全13回)の一部を再掲載します。

〔日本人に見えなかった中東の真実〕連載2 なぜ、米国はイスラエルに肩入れするのか?

冷戦後もロシアににらみを利かせるための前線基地

 半世紀以上にわたって、パレスチナに住むアラブ人とイスラエルに住むユダヤ人は、戦争を続けてきた。1948年、56年、67年、73年と4回にわたる中東戦争では周辺国を巻き込み、75年には戦火がレバノンにまで広がった。一連の戦争により、パレスチナとレバノンで100万人以上が難民となったといわれている。

 この間、米国は一貫してイスラエルを擁護した。ソ連との冷戦で対立が深刻化する中、ソ連封じ込めの最前線基地としてイスラエルの利用価値を見いだしたからであった。

残り2441文字(全文2797文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事