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逆回転し始めた中国経済 市岡繁男

 先日、英『フィナンシャル・タイムズ』紙に掲載された「中国の成長は逆行し始めた」という論文は興味深い。まず、「世界経済における中国のシェアは、1990年の2%以下から21年には18.4%へと10倍近くに上昇した。だが昨年はそのシェアが17.9%に低下し(図1)、今年は17.0%に落ち込む。2年で1.4ポイントの縮小は60年代以降で最大」と指摘する。

 そして、「これはインフレ調整前の名目ドルベースの数字であり、国家の相対的な経済力を最も正確に把握できる指標」だという。一般的には実質国内総生産(GDP)を重視するが、中国はそれを逆手にとって、「インフレ調整を操作することで実質成長率が公式目標に達するようにしてきた」というのだ。真偽はともかく、さもありなんという印象だ。

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