民間の資金需要を食う米政府債務
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11月中旬、10月の米物価上昇率が前月より縮小したことで、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げは終了との見方が強まり、長期金利は4.4%台に低下、株価も急騰した。それまでも長期金利は、一時5%台に乗せた後は、米財務省が長期債の借り換え予定額を縮小したことや、新規雇用者数の増勢鈍化で低下基調にあった。
だが筆者は、今の長期金利低下は一時的であり、再び上昇に転じると思う。二つ理由がある。1点目は、FRBは政策金利を大幅に引き上げ、量的引き締め(QT)も実施したのに景気は一向に減速しないことだ。その証拠に、シカゴ連銀の金融環境指数(NFCI)はFRBが引き締めを開始した2022年5月以降、今が最も緩んでいる(図1)。コロナ禍の2年間で巨額の資金が投じられただけに、事後処理には荒療治が必要なのだ。
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週刊エコノミスト
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