新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

経済・企業 株式市場が注目!海外企業

スターバックス 米シアトル発祥のカフェ世界最大手 永井知美

トルコ・イスタンブールのスターバックス店舗(Bloomberg)
トルコ・イスタンブールのスターバックス店舗(Bloomberg)

Starbucks 中国重視で成長を狙う/103

 日本でもおなじみの米スターバックスは出店数ベースで世界最大のカフェチェーンだ。

 源流は米西部シアトル市で小さな広告会社を経営していたゴードン・ボーカー氏と友人2人が1971年、同市で開業したコーヒー豆、茶葉、スパイスを売る店だ。

 巨大カフェチェーンに発展したのは、82年に入社したハワード・シュルツ氏の功績による。シュルツ氏はイタリアを訪れ、客が店主と会話しながら香り高いエスプレッソを楽しむ様子を見てカフェの経営を思い立って提案したが、ボーカー氏らは否定的だった。シュルツ氏は85年、退社してカフェ運営会社「イル・ジョルナーレ・コーヒー・カンパニー」を設立。その後、ボーカー氏らはスターバックスの運営会社を身売りすることに決めた。87年、イル・ジョルナーレが買収して現社名に改称した。

 シュルツ氏は高価格だが、風味の良いアラビカ種のコーヒー豆にこだわり、客がくつろげる店舗づくりに腐心した。92年には米ナスダック証券取引所に上場。同年末の出店数は米国とカナダで165店だった。それから急増し、96年には1000店を突破。飽和説も出たが、海外進出で乗り越えた。

 北米以外に初めて出店したのは同年に開店した東京・銀座。ガラス張りのしゃれた造りで禁煙のスターバックスは若い女性の熱い支持を集め、人気チェーンになった。

 日本以外でも、同社がコンセプトとする「サードプレイス」に居心地の良さを感じた若年層を中心に強固な顧客基盤を築く。「自宅でも職場でもなく、人々がつどってくつろぎながらおしゃべりができる第3の空間」という意味だ。

全世界に3.8万店

 既存店売上高は92年からリーマン・ショックがあった2008年まで、190カ月連続で前年同月を上回るほど驚異的に伸びた。23年10月現在の出店数は86カ国・地域に3万8038店に上り、そのうち直営店は52%を占める1万9592店だった。直営店の出店先上位は米国9645店▽中国6804店▽日本1733店▽カナダ977店▽英国355店だ。

 成長の要因として二つの特徴を挙げられる。

 一つ目は、コーヒーだけでなく、ココア、カプチーノ、フラペチーノ(コーヒー、牛乳、クリーム、氷などをかき混ぜた飲料)などを拡充し、コーヒーが苦手な人も取り込んだことだ。世界的に中間層が拡大したことも追い風となった。

 二つ目は、積極的…

残り1260文字(全文2260文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

11月26日号

データセンター、半導体、脱炭素 電力インフラ大投資18 ルポ “データセンター銀座”千葉・印西 「発熱し続ける巨大な箱」林立■中西拓司21 インタビュー 江崎浩 東京大学大学院情報理工学系研究科教授、日本データセンター協会副理事長 データセンターの電源確保「北海道、九州への分散のため地産地消の再エネ [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事