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中国の産業用ロボット市場で地場メーカー躍進 奥山要一郎

産業用ロボットで“オール・メイド・イン・チャイナ”なるか(南京市で筆者撮影)
産業用ロボットで“オール・メイド・イン・チャイナ”なるか(南京市で筆者撮影)

 世界最大となる中国の産業用ロボット市場で、国産化の流れが強まっている。「中国製造2025」(2015年5月制定)では、25年までに自国ブランド(国産)シェアを70%に引き上げる目標が設定された。その中で、地場系メーカーの成長も著しい。

 国際ロボット連盟(IFR)によると、22年の中国国内の導入台数は29万300台。世界シェアは52.5%に上る。2位は日本の5万400台(シェア9.1%)だ。

 だが、プレーヤーとして強いのは“世界4強”。この4社を中国市場シェア(22年、出荷台数ベース)で見ると、日本のファナック(15.3%)、同安川電機(8.2%)、スイスのABB(8.2%)、中国の美的集団傘下に16年に入った独クーカ(7.9%)の順となり、外資系が6割程度を占める。中国地場系トップは南京埃斯頓自動化(エストン・オートメーション)で、シェアは5.9%(6位)。ただし23年上半期に限ると、同社はファナックに次ぐ第2位に躍進した。

国策産業に強み

 エストンは1993年に母体企業が設立され、15年に深圳A株市場に上場。創業者の呉波董事長が大株主(41.95%出資)のオーナー企業だ。収益の柱をNC(数値制御)システムからロボット事業に転換し、成長を遂げてきた。16年以降、3Dセンサー開発などの伊エウクリッド、ロボットアームの米バレットに出資し、制御装置の英トリオ、溶接ロボット大手の独クロースなどを買収。産業用ロボットの売上構成比率は31.1%(16年)から77.3%(23年6月中間期)に上昇した。M&A攻勢で多国籍化を進め、ロボット事業を強化している。

 特に新エネルギー分野(新エネ車、リチウムイオン電池、太陽光パネルなど)の製造現場で強みを持つ。これらは中国の国策産業で、地場系企業の参入が優先されやすいようだ。23年にエストン本社(南京市)を取材した際、IR担当者は「低価格と…

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