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AIが美術史で新たな活躍 池谷裕二

撮影 中村琢磨
撮影 中村琢磨

池谷裕二の闘論席

 美術史でAI(人工知能)が新たな活躍を見せている。古今東西の絵画をAIに学習させることで、ヒトの目では分析しきれなかった事実が判明するなど、興奮すべき革新が訪れている。肖像画ひとつをとっても、姿勢や視線、ブラシストロークや彩色などから、AIは年代や系譜をうまく分類する。画家の利き手もわかるという。

 レオナルド・ダ・ヴィンチは光の照射や陰影を光学的に分析し、絵画に導入したことで美術界に変革をもたらしたが、AIの分析によれば、光を再現する精度においてはヨハネス・フェルメールの絵画が群を抜くという。またルネ・マグリットは照明の不整合を意図的に持ち込み20世紀のシュールレアリスムをけん引したが、ヤン・ファン・エイクが15世紀に同様な試みを行っていたこともわかった。

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