週刊エコノミスト Online闘論席

キャンセルカルチャーを正義とする風潮にくみするな 小林よしのり

撮影 中村琢磨
撮影 中村琢磨

小林よしのりの闘論席

 ジャニー喜多川という人物が存在した痕跡まで抹殺した「キャンセルカルチャー」は、次の標的にお笑い芸人・松本人志やプロサッカー選手・伊東純也を選んだ。

 伊東には性被害を訴える女性2人が刑事告訴し、伊東はこれを虚偽として逆告訴。日本代表チームからは外されてしまったが、所属するフランスの名門チームには復帰するという。

 一方の松本は、現時点で女性から1件の告訴もされておらず、松本が『週刊文春』を名誉毀損(きそん)で訴えている段階だ。文春の記事は女性たちの言い分を記載しているだけで、それが事実かどうかはまだ判断されていない。であるのに、すでに彼の姿はテレビから消え、松本を擁護するような発言すらも憚(はばか)られる状態だ。ものの見事にキャンセルカルチャーの完成である。

残り450文字(全文792文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

5月14日・21日合併号

ストップ!人口半減16 「自立持続可能」は全国65自治体 個性伸ばす「開成町」「忍野村」■荒木涼子/村田晋一郎19 地方の活路 カギは「多極集住」と高品質観光業 「よそ者・若者・ばか者」を生かせ■冨山和彦20 「人口減」のウソを斬る 地方消失の真因は若年女性の流出■天野馨南子25 労働力不足 203 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事