日本株のピークは近い 市岡繁男
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2020年9月の英『フィナンシャル・タイムズ』紙に興味深い記事が載った。「X社(記事は実名)はこの1カ月間、ハイテク株のコールオプションを空前の規模で買い集めている。その行使価格が近づくにつれ、X社にオプションを売却した銀行は、当該株を買ってヘッジを行わざるを得なくなった」というものだ。3年半前のこの記事を紹介した米金融サイトは、「X社はいま同じことを繰り返している。この種の踏み上げの結果としての株価暴騰は、通常の株価暴落より早く底が抜ける」と結論づける。
日本株は特に理由がないのに年初から約2割も高騰した。米国株を上回る上昇率だ。また2月の米エヌビディア社の決算発表後、半導体株の比重が大きい韓国株や台湾株の上昇率は前日比1%未満だったが、日本株は2.2%も急騰した。このことは米金融サイトが指摘する投機筋の存在を想定させる。巨額の資金を持つX社がオプションや先物を買いあおり、窮地に陥った銀行等がショートカバーで株価を押し上げる構図だ。
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週刊エコノミスト
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