《東京市場》米景気に減速の兆しも 日本株のリスクに 芳賀沼千里
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米国では株価が史上最高値を更新する中、景気に楽観的な見方が増えている。過去半年間、経済は比較的堅調だったが、米国景気が循環的な回復に向かうか、減速するのか見極めは難しい。
半導体の在庫調整が進み、ISM(米供給管理協会)製造業景況感指数などが改善しており、景気が回復に向かうという見方が支配的だ。しかし、政策に支えられた経済は過去と異なるパターンになる可能性がある。製造業の工場建設は昨年10~12月期に前年比75%増となった。米中対立を背景に、半導体供給を強化するCHIPS法やIRA法(インフレ抑制法)が企業の設備投資を押し上げている。
足元まで急速な金融引き締めが企業活動を抑制しなかった理由は、新型コロナ感染拡大に対応した金融緩和局面で企業が資金手当てをしたから。しかし、中小企業はローンが借りにくくなっているようだ。今年から来年にかけて商業用不動産などで債務の借り換えが増加。インフレ率が高止まり、利下げ時期が遅れれば、今後、金利上昇の影響が顕在化する可能性がある。
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