会社人間の「品格」とは 坂東眞理子「肩書抜きでも節度を保てますか」(2007年9月11日)
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週刊エコノミストは、各界の第一人者にロングインタビューを試みてきました。2004年から「ワイドインタビュー問答有用」、2021年10月からは「情熱人」にバトンタッチして、息長く続けています。過去の記事を読み返してみると、今なお現役で活躍する人も、そして、今は亡き懐かしい人たちも。当時のインタビュー記事から、その名言を振り返ります。※記事中の肩書、年齢等は全て当時のままです。
会社人間の「品格」 昭和女子大学学長 坂東眞理子
ワイドインタビュー・問答有用(2007年9月11日)
中央省庁、地方自治、外交と様々な舞台で、働く女性の代表格として活躍してきた坂東眞理子さん。著書『女性の品格』は、現代を生きる男性にとっても示唆に富む。品格ある生き方、働き方はどうあるべきかを、柔らかな口調で指南いただいた。(聞き手=乾 達・編集部)
昨年9月に出版した『女性の品格』(PHP新書)が160万部のベストセラーに。現代の女性に向け、細かな礼儀や作法、心構えなどをアドバイスする内容は「いまどき」ではなく、むしろ保守的といえる。ただ、坂東さん自身が子供2人を育てながら、第一線の官僚として活躍してきた先駆的なキャリアウーマンであるだけに、「男女に関係なく人生指針として有用だ」との声も多い。実は読者の2割ほどは男性という。
厳しかった就職と「両立」の苦労
── 働く女性の先頭ランナーとしてやってこられた。
坂東 それは森山真弓さん(1950年旧労働省入省、現衆院議員)らで、私たちは第2世代。でも学生時代は働くという意識はなく、たまたま成績がよかったから地方の高校から大学へ進学したのです。
いざ就職の時期になると、企業は女子学生なんて全然お呼びでない。あわてて公務員試験を受けましたが、女性を採用してくれる省庁も労働省を除けばほとんどなく、ショックでした。自分は社会から期待されるような人間ではないんだと。
たまた…
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