プラザ合意30周年 インタビュー 内海孚・元財務官「米国からの圧力ではなく日本は主体的に動いた」(2015年1月13日)
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ドルの価値を大幅に引き下げた1985年の「プラザ合意」。30年後の2015年、元財務官の内海孚氏に行ったインタビューを再掲する。※記事中の肩書、年齢等は全て当時のままです。
プラザ合意の意義やその後のドル・円相場に与えた影響は何だったのか。当時、駐米公使として米国側との交渉に当たった内海孚元財務官に聞いた。(聞き手=後藤逸郎/秋本裕子・編集部)
── プラザ合意の意義は何か。
■二つあると思う。一つは5カ国の蔵相と中央銀行総裁が集まって(G5)、為替相場は経済のファンダメンタルズ、つまり実体経済と違う動きをすることがあると初めて認めたこと。もう一つは、主要5カ国がマクロ経済政策の調整と市場介入を車の両輪として、為替相場を変更しようと試みたことだ。
変動相場制に移ってから、介入は人為的に市場をゆがめるものであり、使うのは例外的な場合に限るとされていた。急に為替相場が動いた時に動きをスムーズにするための介入はいいが、レベルを変えるような介入はルール違反だ、為替相場を操作しようというのは「ダーティーフロート」(通貨当局が介入して恣意〈しい〉的な為替相場を形成すること)だ、という暗黙の了解があった…
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週刊エコノミスト
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