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教養・歴史 書評

デバイスから離れてみて刺激量をコントロールする 荻上チキ

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 集中力についての悩みは、誰にでもあるのだろう。私にもある。私の場合は──と書きかけたが、やめておく。無駄な自分語りは、他人の集中力を削(そ)いでしまうだろう。

『ATTENTION SPAN デジタル時代の「集中力」の科学』(グロリア・マーク著、依田卓巳訳、日経BP、2420円)。集中力についての心理学研究をまとめた一冊だ。ここのところ集中力が落ちているあなたのために、SNSでのバズ構文で要約しておこう。

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 この本やばい……。デジタル時代になり、人類が注意散漫になっちゃったんだって。SNSやらメールやらの刺激が仕事を邪魔するし、なんなら脳が延々と疲れ続けるらしい……!「最近なんだか、本を読む暇がない、なぜ??」って人にこそ読んでほしい! #読書 #集中力 #心理学

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 本を読む時間がない、元気がない、お金がない。ならば、何がその時間と体力と資本を奪ったのだろうか。アメリカ人がテレビに使う平均時間は4時間24分、デジタルデバイスに使う平均は5時間30分。仕事や学業でデバイスを使う時間が含まれているとはいえ、起床時間の大半がモニターに向けられてしまっている。

 人の集中時間は、もともと長くない。だが、PCに触れ続けることで、ますます短くなっている(画面を見る際、人は平均47秒で集中力が途切れているようだ)。集中の途切れは、何によって、どれくらいの頻度でもたらされているのだろう。数分、あるいは数秒単位で妨害をしてくるものがひとつある。スマホである。

 SNSや広告産業はアルゴリズムを強化することで、ますます人々の「アテンション=関心」を奪う方向に進歩する。スマホは人に快楽を提供するが、利用者はそのことに慣れて長期思考が難しくなり、ますます短期的な刺激に飛びつくようになる。

 現代社会は、人々にマルチタスクを強要する。書類を書き、調べものをし、メールの返信をする…

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週刊エコノミスト

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