《東京市場》変動は大きくても押し目買い有効 三井郁男
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8月は5日に日経平均株価が史上最大の下落幅を記録し、翌日に史上最大の上昇幅となるなどボラティリティーが高い状況が続いた。暴落を招いた円キャリートレード(円を売ってドルを買う取引)のポジション解消は縮小傾向で、徐々に市場は落ち着きに向かうだろう。
暴落の引き金になった米国経済の景気後退懸念は、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締めの効果が表れてきた結果である。引き締めの累積効果により予期しない景気減速が起こる可能性はあるものの、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)から利下げ開始が見込まれている。景気の急変動に対してFRBの利下げ余地は大きく、景気減速を限定的な範囲にとどめることは可能であろう。
日本経済は、実質賃金が2年3カ月ぶりにプラス転換した。賃金上昇の圧力は続く可能性が高い。企業の成長投資も高水準が続き、消費と設備投資は内需景気をけん引し日本経済を下支えする。
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週刊エコノミスト
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