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投資・運用 株式市場が注目!海外企業

パランティア・テクノロジーズ 軍や情報機関に強い米データ解析会社 岩田太郎

2016年大統領選に当選したばかりのトランプ氏(左)と支持者でパランティア創業者のピーター・ティール氏 Bloomberg
2016年大統領選に当選したばかりのトランプ氏(左)と支持者でパランティア創業者のピーター・ティール氏 Bloomberg

Palantir Technologies 24%増収の見通し/127

 パランティア・テクノロジーズは米データ解析企業だ。2003年、現会長のピーター・ティール氏が創業した。ティール氏は弁護士、デリバティブ(金融派生商品)のトレーダー、投資会社経営者などを経て30代前半だった1998年、米決済大手ペイパル・ホールディングスの前身会社を創業した。ティール氏は02年、ペイパルを売却した。

9.11が創業の契機

 米紙『ニューヨーク・タイムズ』の14年記事によれば、「熱烈なリバタリアン(自由至上主義者)」のティール氏は01年の米同時多発テロを受けて「自由が失われている」と感じて創業したという。当初のビジネスはクレジットカードの不正使用を見抜くソフトウエアだった。記事は「米中央情報局(CIA)のベンチャーキャピタル、In-Q-Tel(インキューテル)がパランティアに200万ドル(現行レートで約2.8億円)出資した」と記す。

 CIAから初めて受注したのは08年だった。米軍がアルカイダの指導者だったウサマ・ビンラディンを11年に暗殺する前、「同社のスパイウエアを使って居所をつかんだといううわさがあるが、パランティアは肯定も否定もしなかった」と記事は伝えた。同社は20年、米ニューヨーク証券取引所に上場した。

 事業セグメントは23年売上高の55%を占めた米国と他国の公的機関からなる「政府セグメント」と、45%を占めた「民間セグメント」だ。顧客が持つ大量のデータを解析し、意思決定をしやすくするソフトウエアを開発する。創業以来、開発したソフトのうち、「パランティア・ゴッサム」について同社の広報動画はこんなシミュレーションを描く。

 中国海軍が南シナ海で定例軍事演習を展開中、米軍司令部が活用するゴッサムは衛星画像を解析し、台湾南部の主要港湾の沖合に中国漁船が大量に集結し、その多くが互いにつながれていることから、「漁業以外の意図」があると判定。その頃、日本の情報機関から「中国海軍の駆逐艦が消息を絶った」という情報が届く。ゴッサムは同艦の行き先を演習海域か中国漁船が集結する台湾沖のいずれかと予測し、必要以上にリスクを高めない選択肢を米軍に示す。米軍はそれに基づいて中国艦を発見し、米海軍艦艇を急派。中国艦は航路を変え、台湾から遠ざかった──。

 米軍やCIA以外にも、警察などの政府機関と長期使用契約を結び、定期的で安定した使用料収益を得ている。

米企業向け55%増

 24年4~6月期売上高は前年同期比27%増の6億7800万ドル(約949億円)だった。米企業向け売上高が前年同期比55%増と好調だったこ…

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