中国共産党「入党誓詞」の時代的変遷から党員像の揺らぎを読み取る 菱田雅晴
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かつての高度成長も色あせ、経済不振が色濃くなる中、巨大な生存圧力を前にいかにして生き残るか、これが依然として中国庶民の関心だ。どのようにして勝ち組を目指すか、それに際して最強のパスポートとみなされているのが党員証らしい。今や9918万5000人(2023年末)と1億人台に迫る中国共産党員は、全人口比7%の超エリートで、やはり就職や出世などの実利獲得には最強の武器と映る。実利重視の風潮から入党を希望する若者が増えているのもむべなるかなだ。
だが、入党への道のりは険しい。3千字もの入党申請書を提出し、党員候補としての「入党積極分子」「予備党員」のステップを経てようやく正式党員となるのだが、その間には党の思想や歴史の学習が必修、上級党組織による数次の審査を経た後も「党課」と呼ばれる活動や研修を続け、その過程で最終的に問題なしと判断されて晴れて入党となる。
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