教養・歴史 書評

紀伊國屋書店が旭屋書店と東京旭屋書店の買収完了 永江朗

 苦境が伝えられる書店界だが、すべての書店が青息吐息というわけではない。売り上げを伸ばしている新刊書店もある。例えば、紀伊國屋書店の2024年8月期の連結売上高は1352億3100万円で前期比3.5%増。4年連続の増収増益で、過去最高の売上高と利益を更新している。神奈川県を中心に展開する有隣堂も増収増益、京都府を中心に展開する大垣書店も増収増益だ。

 ただ、紙の書籍・雑誌の市場縮小は続いていて、反転する兆しは見えない。業界全体が縮小する中であえて拡大策に出たり、書籍・雑誌以外の商品やサービスを開発したりして売り上げを伸ばす一部の書店と、なかなか好機を見つけられないその他の書店とに明暗二極化している。

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