ワーグナーそしてプッチーニ 桜咲く上野の森で音の饗宴 梅津時比古
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クラシック 東京・春・音楽祭2025
最近は季節を感じることが少ない。気温が極端に上下し、常に災害に匹敵する激しい気候に襲われている。しかし、クラシック音楽祭が春の到来を告げてくれる。このほど発表された「東京・春・音楽祭」の概要によると、期間は3月14日〜4月20日。ちょうど上野の山の桜がつぼみをつけて満開を過ぎるまで、上野界隈の博物館、美術館などが花とともにオペラから独奏まで、音の饗宴に包まれる。
この音楽祭の伝統になったワーグナー・シリーズは、マレク・ヤノフスキ指揮NHK交響楽団の《パルジファル》。これはもともと動きの少ない聖なる音響空間なので、ワーグナーの楽劇の中では演奏会形式に最も向いている。とはいえ、一般的な演奏会形式とは異なり、ドイツ語上演・日本語字幕付きという「新たな演出」ともいえる舞台で魅了する。歌手陣が素晴らしい。歌曲でも際立つクリスティアン・ゲルハーヘル(バリトン)、昨…
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週刊エコノミスト
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