トランプ復活できしむ英米関係 マスク氏も反温暖化対策で“参戦” 木村正人
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英主要紙が、エスカレートするスターマー英首相とトランプ米次期大統領との緊張に神経をとがらせている。
スターマー氏は昨年11月の国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)で「2035年までに温室効果ガスの排出量を1990年比で81%削減する」と宣言した。昨年9月末に英国最後の石炭火力発電所を閉鎖し、北海油田・ガス田の新たな開発を許可しないと表明した。
温暖化懐疑主義者のトランプ氏は化石燃料増産を声高に唱え、パリ協定からの再離脱をもくろむ。自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に「英国は非常に大きな間違いを犯している。北海(油田・ガス田の開発)を開放し、(風力発電用の)風車を取り除くべき」と投稿した。
脱炭素・エネルギー政策を巡り英米は真っ向から対立し、第二次世界大戦以来の英米の「特別関係」はきしんでいる。英紙『フィナンシャル・タイムズ』(電子版、1月3日付)は「米次期大統領は第1次政権時と同じように他国の国内政策に口を挟む意欲を示している。英国との関係をさらに悪化させる恐れがある」と懸念する。
「気候変動対策を巡る英国の政治的コンセンサスは分裂している。メイ首相(…
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週刊エコノミスト
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