経済・企業特集

リーマン・ショック10年 私のリーマン・ショック 湯浅誠 世の中を動かす「最後の一押し」…

    湯浅誠(社会活動家)
    湯浅誠(社会活動家)

    「全部のシャッターが一度に下りている」と感じたのがリーマン・ショックの時だった。それまでも派遣労働で契約期限が来て切られる人はいたが、他の会社に移ることが多かった。それが2008年9月末には、どこにも行き場所がないという人が続々と相談に訪れた。

    「年越し派遣村」の発案は労働組合の人たちだ。派遣切りにあうと職とともに住まいも失うので、寝泊まりまで含めたアクションが必要だったが、彼らには寝泊まりを確保するノウハウがない。そこでホームレス支援に取り組んでいてノウハウを持つ私に協力要請があった。

     社会活動家として常に世論形成を意識して行動しているが、世の中は少しずつしか動かない。だが、派遣村は別格だった。「あんたたちの取り組みは日本のお正月を変えた」と地方で講演した時に言われたことが印象に残っている。メディアでは取り上げていた貧困や格差の問題が、多くの人の実感となり、政府も認めて対策に乗り出した。リーマン・ショックは「最後の一押し」。それまでも小波のような動きはあったが、ぐっと動く直接の…

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