経済・企業エコノミストオンライン

三菱日立合弁、タイ贈賄で初の司法取引 「個人に責任転嫁」に親会社の事情も=北島純

    南アフリカにおける三菱重工業と日立製作所間の係争も影を落とす(神奈川県のMHPS社施設)
    南アフリカにおける三菱重工業と日立製作所間の係争も影を落とす(神奈川県のMHPS社施設)

     三菱日立パワーシステムズ(MHPS)がタイ南部の火力発電所建設に絡んでタイ港湾当局者に贈賄したとして、7月20日、東京地検特捜部が同社元取締役ら3人を起訴した。この事件が大きな注目を集めたのは、6月1日から施行された「司法取引」(合意制度)が我が国で初めて適用されたからだ。今回、MHPSが東京地検との司法取引に応じたことにより、法人としての起訴は見送られ(起訴猶予)、案件処理を担当した同社元取締役常務執行役員兼エンジニアリング本部長、元執行役員兼調達総括部長、そして元調達総括部ロジスティクス部長という3人の元幹部が個人として、不正競争防止法違反の外国公務員贈賄罪で在宅起訴された。

     今回の司法取引が「法人は不起訴、個人を起訴」という形になったことから、組織犯罪をあばく手段として導入された司法取引の制度趣旨に反するのではないかという批判もあがっている。そのような批判があたっているか、事件の背景と教訓とともに検討してみよう。

    残り3784文字(全文4200文字)

    週刊エコノミスト

    週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
    有料会員になると、続きをお読みいただけます。

    ・会員限定の有料記事が読み放題
    ・1989年からの誌面掲載記事検索
    ・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

    通常価格 月額2,040円(税込)

    週刊エコノミスト最新号のご案内

    週刊エコノミスト最新号

    10月5日号

    安い日本 超円安時代16 外食、賃金、学費 安売り大国を覆う不安 ■浜田 健太郎/加藤 結花18 インタビュー 渡辺努 東京大学大学院教授 「物価上昇にカルテルの一時容認を」19 1ドル=360円時代 急増する対外直接投資と環流しない企業利益 ■佐々木 融22 パラダイム転換 1ドル=120円常態化 [目次を見る]

    デジタル紙面ビューアーで読む

    おすすめ情報

    最新の注目記事