経済成長の大前提への配慮を示した日銀
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日銀が7月31日、金融緩和政策を約1年10カ月ぶりに修正した。これは、持続的な経済成長の大前提である「健全な金融仲介機能」と「市場機能の回復」の両方に配慮した点で歓迎すべきだろう。
日銀が「ゼロ金利政策」を採用したのは1999年2月だが、実は98年9月には、金融機関同士が短期資金を貸借するコールレートの誘導目標を0・25%に引き下げ、この誘導目標にかかわらず、必要とあれば潤沢に流動性供給を行うことを宣言した。つまり、日銀が非伝統的な金融政策に足を踏み込んでから20年近くが経過しようとしている。
日本経済を苦しめてきたデフレと戦うための非伝統的な金融政策は、金融市場の機能を損なうリスクと隣り合わせにある。金融危機が到来した時に金融機関を救済できるメリットはあるが、平時には金融機関の経営に害を及ぼしかねない政策でもある。
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週刊エコノミスト
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