それでも消費増税が不可避な理由
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将来の国債暴落リスクを考えれば、財政健全化は待ったなしだ、と考える人がいる。一方で、せっかく長いデフレからの回復が続いているのだから、財政収縮で景気の腰を折るのではなく、名目GDPを増やして債務比率の上昇を抑えるべきだ、という人もいる。
6月に閣議決定された政府の「骨太方針2018」では、基礎的財政収支(借金と元利払いを除いた財政収支)黒字化の目標を、従来の2020年から25年に先送りしており、安倍政権の考え方は後者の論理に近いとの見方が広まっている。
国際通貨基金(IMF)の統計によると、先進7カ国(G7)のすべてで、金融危機に伴い一般政府(国、地方、および社会保障基金の合計)の収支は大幅な赤字となった。06年と09年を比較すると、米でGDP比11ポイント、英で7・3ポイント、日本で6・7ポイント、仏で4・8ポイントなど、いずれも劇的に悪化している。ただ、16年になると、米・仏・加は依然として06年時点より赤字のGDP比が大きいが、日・英はほ…
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週刊エコノミスト
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