LGT銀行、報告書偽造の理由判明 オリンパスが監査法人への隠ぺい指示=編集部
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2011年に発覚したオリンパスの巨額粉飾決算事件で、簿外ファンドへの資金供給に関与したLGTリヒテンシュタイン銀行(LGT銀行)が、自身が運用する私募ファンドの運用報告書を偽造した理由が、本誌の調査で明らかになった。あずさ監査法人に簿外損失が発覚することを恐れたオリンパスが、LGT銀行に偽の運用報告書の作成を指示していた。LGT銀行は「オリンパスの簿外損失は全く知らなかった」としているが、改めて事件における役割を精査する必要がある。
オリンパスは財務運用の失敗により96年時点で金融商品の含み損が約900億円にまで拡大。その事実を隠ぺいするため、96年以降、英領ケイマン諸島に二つの簿外ファンド「CFC」と「QP」を設立し、含み損を抱えた金融商品を飛ばしていた。当初、これらの金融商品を買い取るための資金は、オリンパスの特定金銭信託(特金)内で保有する日本国債を簿外ファンドに貸し出し、ファンドがそれを市場で売却して調達していた。
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週刊エコノミスト
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