チャイナウオッチ 経済に先行き不透明感 景気下支え重視に転換=神宮健
中国のマクロ経済政策は景気下支えをより重視する方向にかじを切った。
7月末の中国共産党中央政治局会議では、足元の経済状況を「安定の中で変化が生じ、新たな問題と挑戦に直面しており、外部環境に明白な変化がある」と分析。経済安定重視の姿勢を打ち出し、「積極的な財政政策」という従来のスタンスは堅持した上で「インフラにおいて不足した部分を補う力を強める」との方針を示した。また、金融政策についても「穏健で中立的」という基本方針から「中立的」を削除し、十分な流動性を保たせるとした。
足元の中国経済は、表面上は安定的に成長しているものの、対米貿易摩擦に加え、国内にも不安材料がある。固定資産投資の伸びの急減速や、民間企業を中心としたデフォルト(債務不履行)の増加である。
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週刊エコノミスト
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