チャイナウオッチ 新疆で急成長の繊維産業 一帯一路で欧州企業が注目=岩下祐一
有料記事
中国・新疆(しんきょう)ウイグル自治区で繊維産業が急成長している。背景には、習近平国家主席が2013年に提唱した中国と欧州を結ぶ広域経済圏構想「一帯一路」と政府の優遇施策がある。欧州企業の原料や製品の調達先として発展する構想もあり、川上(紡績)から川下(縫製)まで活発な投資がしばらく続きそうだ。
昨年5月15日に北京で開かれた一帯一路の国際首脳会議の翌日、新疆の首府ウルムチ市では「中国新疆・欧州ハイレベル繊維フォーラム」が開かれていた。同自治区人民政府副秘書長の梁勇氏が「新疆と欧州は地理的に近く、リードタイム(発注から納入までの時間)や物流コストを抑えられる。調達地として活用してほしい」とアピールすると、スウェーデンの家具販売大手イケアのグローバルサプライヤー開発担当主幹のカルバン・ウーリー氏は「東西の玄関口としての新疆の役割に期待している。ここで新たなサプライヤーを見つけたい」と応じた。
14年に560社だった新疆の繊維企業数は、17年に2703社に急増。これに伴い、繊維企業の固定資産投資は14年の96・2億元(約1540億円)から、17年には468・5億元(約7500億円)に増えている。
残り954文字(全文1457文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める