チャイナウオッチ アフリカ支援で権威誇示 国内の不安心理一掃狙う=金子秀敏
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中国と国交のあるアフリカ53カ国の首脳や、国連、アフリカ連合の代表らを集めた「中国アフリカ協力フォーラム」の首脳会議が9月3日、北京で開幕した。習近平国家主席は基調演説で、人口約13億人の中国と、同約12億人のアフリカによる「中国・アフリカ運命共同体」の構築に600億ドル(約6兆6000億円)を投じることを表明し、その土台として経済圏構想「一帯一路」を位置づけた。
生きるも死ぬも中国と一蓮托生(いちれんたくしょう)の「運命共同体」入りを迫られたアフリカ各国代表は、数人がスタンディングオベーションを始めると、一瞬とまどいを見せた後、次々に続いた。中国と米国の「貿易戦争」の中で、一帯一路が欧米の自由主義に付くか中国式社会主義に付くか、体制選択を迫る圧迫感を持ったことや、中国に対する「債務のワナ」(債務のカタに国の資産を奪われること)への警戒感が一瞬の迷いに垣間…
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週刊エコノミスト
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