今よみがえるラビ・バトラの予測 トルコ危機とスペインへの波及=市岡繁男
有料記事
米サザン・メソジスト大学のラビ・バトラ教授といえば、1987年に出版された『1990年の大恐慌』(邦訳は勁草書房)で世界的な株価の暴落を予測したことで知られる。この本は少なくともバブルが崩壊した日本株については的中した。同教授の暗い予測はその後、過激さを増して、94年の著書では「西暦2010年までに資本主義が崩壊する」とまで断言した。さすがにこの予測は外れたが、その著書がキワモノ扱いされるようになったのはこの頃からだ。
筆者もかつてバトラ教授の著書を読んだ一人だが、その結論に至る論拠がいま一つ理解できなかった。当時はまだインターネットが普及しておらず、著者が根拠として挙げたデータを入手できなかったからだ。
残り2554文字(全文2861文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める