経済・企業エコノミストオンライン

JALの格安航空参入 長距離LCCは前途多難=杉浦一機

今年の夏の航空業界を揺さぶったのが、日本航空(JAL)による中長距離路線の格安航空会社(LCC)への進出表明だった。7月31日に100%子会社の準備会社「ティー・ビー・エル」(TBL)を資本金4億9000万円で設立し、社長にはマイレージ事業部長だった西田真吾氏を起用した。西田氏は、社内で「JALらしくない異色のキャラクター」と評される。JALとは違うLCCの新たなブランドを立ち上げ、他業界にも広く出資を呼びかける予定だ。

 これまでのJALは、「大切なことはフル・サービス・キャリア(FSC、さまざまなサービスを提供する従来型の航空会社)としてのサービスに磨きをかけること」(植木義晴会長など)との発言を繰り返し、豪カンタス航空と合弁によるジェットスター・ジャパンの経営にも消極的だったので、唐突感は否めない。

残り2893文字(全文3249文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

10月3日号

金利ある世界18 長期金利の居場所の探り合い 10年国債が主役に復活する日■稲留克俊21 絶えざる資産インフレとデフレ■水野和夫22 ドル・円 米金利上昇で景気失速、金利低下 1ドル=130円の円高を目指す■吉田恒24 日本株 企業に生じた「インフレ利得」 「マイナス金利」が追い風に ■黒瀬 浩一2 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事