経済・企業

新・就活を生き抜け ゲーム理論で考える 抜け駆けが合理的でも利得最大化はルール順守=宮前耕也

     就活ルールは、企業の抜け駆けが発生しやすい。そのメカニズムをゲーム理論の「非協力ゲーム」で考えてみる。具体的には、業界や処遇など就職条件が同一であるA社とB社が、業界・企業ニーズに合致する学生10人の採用活動において競合、各社が自社の利得(ここでは採用数)の最大化を目指すにあたり、就活ルールを守るのか、それとも抜け駆けするのか、事前に選択するケースを考えてみる(図1)。

     A社にとってはB社がどちらの選択を採っても、抜け駆けすることで利得を最大化できる。逆もしかりだ。両社とも互いに就活ルールを守るインセンティブは存在せず、抜け駆けが合理的な選択、つまり支配戦略になる。両社とも抜け駆けを選択する状態で安定しやすい(ナッシュ均衡)。

     しかし、抜け駆けによる均衡は両社(企業全体)にとって最適な状態ではない。抜け駆けにより、学生側の準備が整わず、全体の採用数が減少する可能性や自社のニーズに合致しない学生の採用を余儀なくされる可能性があるためだ。

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